木質バイオマスエネルギー
利活用相談窓口

発電利用木質バイオマス
証明ガイドライン

導入ガイドブック

災害被災木等活用実態調査

ORCシステム概要

 ORCシステムは、蒸気タービンと同じくランキンサイクルによる発電方式の一種で、蒸気タービンとは異なり熱媒として水ではなく、有機媒体(シリコンオイル等)を利用して発電を行う技術です。具体的にはバイオマスボイラで加熱されたサーマルオイル(310℃)がORCユニット内でシリコンオイルと熱交換し、そのシリコンオイルの蒸気によりタービンを回転させて、発電を行うものです。タービンの冷却水は80℃〜90℃の温水として供給され、暖房・給湯用や産業用の熱源として利用可能です。
 小規模でも高い発電効率(出力600kWで19%)、メンテナンスの負担が少ない、さらに欧州では無人運転が実施されるなどオペレーションの負担が少ないことが特徴としてあげられます。またボイラの設計次第で、高含水率の雑多な燃料も利用可能です。これらの特徴を活かし、さらに発生する熱による売熱収入を得ることで、小規模でも採算性の見込める技術です。
 国内での実績はまだありませんが、欧州ではすでに200基以上の導入実績を有する確かな技術で、「FIT40円/kWh」枠の適用により、今度国内での普及も期待されます。

技術特性

  • 小規模でも高い発電効率
  • 熱と合わせた高いエネルギー効率
  • 低負荷運転に強く、出力変動の幅が広い
  • 熱媒体の使用圧力が低く安全
  • 機械的ストレスが低く、タービンの浸食もない
  • 燃料の許容の幅が広い(ボイラ設計次第)
  • 無人運転が可能(但し日本では常時監視が必要)

導入要件・仕様例

導入イメージ

 欧州では既に200基以上のバイオマスを熱源としたORCの導入実績があります。
 製材工場では発生する材を利用してORCで発電し、排出される温水による数万㎥級の製材乾燥やベルトドライヤ―と呼ばれる乾燥機との組み合わせで数万t級のペレット原料の乾燥を行っている事例が多々みられます。
 1,000kW級のORCを導入し、2〜3km離れた1,000世帯程度の地区への地域熱供給の事例も各地でみられます。