適用範囲・引用規格・定義

1. 適用範囲

 この規格は、燃料用木質チップ(以後、木質チップまたは単にチップと呼ぶことがある)の品質について規定するものである。対象とする木質チップは、森林由来、工場残材由来および建築廃材由来などの木質原料から製造されたもので、小規模の熱利用から大規模の発電利用の燃料として用いられるものを指す。したがって、燃料として不適な、①土砂付着の多い根株や抜根起源のチップ、②環境負荷の大きなCCA処理材起源のチップ、および水分(湿量基準含水率)55%以上の多量の水を含むチップは本規定から除外する。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は、この規格に引用されることによって、この規格の一部を構成する。これらの引用規格は、その最新版(追補を含む。)を適用する。

  • JIS Z 7302-1  廃棄物固形化燃料-第1部:試験方法通則
  • JIS Z 7302-3  廃棄物固形化燃料-第3部:水分試験方法
  • JIS Z 7302-4  廃棄物固形化燃料-第4部:灰分試験方法
  • JIS Z 7302-5  廃棄物固形化燃料-第5部:金属含有量試験方法
  • JIS Z 7302-6  廃棄物固形化燃料-第6部:全塩素分試験方法
  • JIS Z 7302-7  廃棄物固形化燃料-第7部:硫黄分試験方法
  • JIS Z 7302-8  廃棄物固形化燃料-第8部:元素分析試験方法
  • JIS Z 8801-1 試験用ふるい-第1部:金属製板ふるい
  • JIS M8100   粉塊混合物―サンプリング方法通則

3.定義

 この規格で用いる主な用語の定義は次による。

原料木材 木質チップを製造するために用いられる幹、枝葉、樹皮、工場残材、リサイクル木材等をいう。
リサイクル木材 建築部材等に使用後、再資源化された木質資源をいう。
切削チップ チップ製造において、刃物切削によって小片化されたものをいう。
破砕チップ チップ製造において、ハンマー等で衝撃的に小片化されたものをいう。
化学処理 空気、熱あるいは水以外の化学物質による処理をいう。例えば接着、塗装、表面コート、あるいは耐火、防虫、防腐などを目的とした注入等の処理をいう。
ロット 木質チップを生産、取引、輸送、保管する際にグループ化された製品単位をいう。
分析用試料 ロットの平均的性状を示すようにサンプリングされた品質測定用の試料をいう。
水分 湿量基準含水率(M=水分重量/測定時の木材重量×100%)をいう。乾量基準含水率(U=水分重量/全乾木質重量×100%)の「含水率」と区別する。